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ソテツの栄養繁殖


ソテツ種により子株をつける頻度程度に違いがあるが、特に日本のソテツ(Cycas revoluta)は株分けによる栄養繁殖が容易である。

切断個体をそのまま埋めても発根するが、より高確率に根付く方法を紹介したい。

ゴルフボール~パイナップルサイズの子株の下部を、水平に鋭利な刃物で切り落とし、トップジンMペーストやカルスメイトで封をし、温暖な条件(22℃~32℃)で通常管理すると、より容易に発根する。この切り口を作る技法は、水溶性の殺菌剤を併用して根腐れを起こした個体の復活処理にも応用できる。根が死んだ、切断された現地球の輸入ソテツの発根管理にも応用の余地があるが、筆者は機会が乏しい。

より大きな子株の栄養繁殖については別の識者の投稿にお任せしたい。当会の趣旨である「遺伝子のバックアップ」にはこれら技術の安定性が欠かせないものであることは言うまでもない。

発根剤(植物ホルモン)の施用は有意なレポートが少ない。今後知見の蓄積が必要な分野と思われる。
グアム大学のBen Delosoグループによる研究では、Zamia integrifolia、Zamia furfuraceaの発根処理においてはインドール-3-酪酸 (IBA)は有意な結果が得られなかった。[1]

組織培養については、今後大きな前身が期待できる分野と言える。

一方で、ソテツ種全般に挿し枝での発根の事例はあるものの、新しい葉がフラッシュし正常な代謝が開始するという「次」に繋がらないようだ。枝自身にはその個体のすべての遺伝情報が含まれており、今後の研究次第では挿し枝繁殖も現実のものとなるかもしれない。

根伏せ繁殖については南アフリカ原産のStangeria eriopus のみ可能であることが知られている。

参考文献
[1]
Benjamin E. Deloso, Anders J. Lindström, Frank A. Camacho, and Thomas E. Marler
Highly Successful Adventitious Root Formation of Zamia L. Stem Cuttings Exhibits Minimal Response to Indole-3-Butyric Acid
https://journals.ashs.org/hortsci/view/journals/ho...

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